マイ・バック・ページ ある60年代の物語 川本三郎著(2) [けもの道の幸福]
ノスタルジーのあとは、私的な感想。
前回の記事からずいぶん経ってしまいました。
その間に、震災があったり、社会も少なからず変わってしまって
結婚指輪のWEB販売などを小さく営んでいる私はとまどうばかりでした。
この本を原作とした映画も公開されたようで
川本さんのインタビューもいくつか目にしました。
そのひとつが朝日新聞だったので、
川本さんは、かつて切り捨てられた朝日新聞と和解したんだなと思いました。
もっとも40年という月日が流れているのですが・・・。
私がこの本を読んで一番感じたことは、
大きな組織は、絶対に個人を守ってくれないということなのです。
それは私的な体験がベースになった感想でもあります。
7年前に、20年勤務した大きくて古い会社(良い会社だと思います)を
離れざるを得なくなり
4年前には、大商社S商事に酷い目にあわされました。
その後、応援してくれるたくさんの人達がいて、小さな商売をしていますが
もはや大きな組織に属することはないでしょう。
川本さんは、食べるために、トルコ風呂の突撃取材までしたそうですから
私の方がはるかに恵まれているのだと思います。
それでも、大きな会社で必死に働いている人達の耳元で
”いざとなったら、あなたも簡単に切り捨てられるのですよ”
とささやいてあげたいなと考えます。
世の中で、大企業の労働組合ほど欺瞞に満ちたものはないだろうとか
日経新聞って古い産業界の既得権の維持が目的だなあとか
立場が変わって初めて見えるものは少なくないのです。
川本さんは、朝日新聞と和解出来て良かったなあと、しみじみ思います。
私が住友金属鉱山と和解出来る日は来るのでしょうか。
住友商事のことは、地獄からも恨んでやると誓っているけどね。